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| 「あなたの考える、家庭料理の一番のご馳走って何ですか？」 |
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| こう聞かれたら、私は迷わず、 |
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| 「ばら寿司です」 |
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| と答えると思います。 |
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| 誕生日や入学祝い、就職祝いなどのお祝い事の度に、いつも母が作ってくれたばら寿司。 |
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| 少し甘めの味付けと、たっぷりの金糸玉子が美味しいばら寿司です。 |
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| 作ったことがある人はわかると思いますが、ばら寿司はとても手間暇がかかる料理です。 |
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| たくさんの具材を細かく刻んで炊き合わせを作ったり、椎茸を炊いたり、 |
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| 金糸玉子を作ったり、青物を茹でたり酢飯を作ったり・・・ |
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| ほんとうに手間がかかるお料理です。 |
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| でもだからこそ、大切なお客様が来られた時、私はいつもばら寿司を作ります。 |
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| 心を込めて、手間をかけて作ることが、 |
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| おもてなしの“ご馳走”にふさわしいと思うからです。 |
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| ちなみに、ばら寿司とちらし寿司の違いってご存知ですか？ |
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| 一般的に、ちらし寿司はシンプルな酢飯の上に様々な具材を彩り良く並べたもので、 |
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| 関東の方で主流です。 |
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| 一方のばら寿司は関西文化の影響を色濃く受けたお寿司で、様々な具材を細かく切り、 |
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| 飯の中に混ぜ込んだもの。 |
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| その上に金糸玉子や海老、紅生姜を飾ったりします。 |
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| 形状は双方似通っていますが、粋と派手さを尊ぶ江戸っ子と、 |
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| 見た目よりも味とボリュームを尊ぶ関西人の気質の差が出ているようで面白いですよね。 |
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| もちろん生粋の関西人の私は、『ちらし寿司＝ばら寿司』です。 |
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| もうすぐひな祭りです。 |
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| 今年は手作りの心を込めたばら寿司で、ひな祭りをお祝いしてみてはいかがでしょうか。 |
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